一人ひとりの成長。
- 投稿日
- 2023.02.22
今年度も、5歳児のお楽しみの時間(ひまわりタイム)を担当して、毎月子どもたちと様々な活動をしてきました。
11回目の今月のテーマは、『お話の記憶』と題して、保育士が読み上げる文章を記憶し、想像して、絵で表現していくという内容でした。毎年同じ文章(山や池などが出てくる、景色が想像できるものです。)で、小梅保育園が認証の頃から、このひまわりタイムで行っているものの為、毎年クラスの個性が感じられる活動です。
今回もいざ挑戦!!1回読み上げると、とっても集中して聴いていた子ども達。その後すぐに描き始める子どももいれば、悩みながら頭を抱える子どももいます。描いている途中にもう一度読むと、スイスイと描き始める子どもが多くいました。
言葉をよく聞き、考えて描いていくと、一人の男の子の手が止まりました。そして、目には涙が…。「どうしたの?」と言葉を掛けようか迷いましたが、自分の思いを上手に伝えてくれるという子どもという事や、5歳児の2月・・・という事もあり、様子を見ることとしました。
しばらくすると、小さな声で「まちがえちゃった」と教えてくれました。話を聞いていくと、最初に山を大きく描きすぎて、他のものが描けなくなってしまったとの事。それが、涙が出るほど悔しかったようです。そんなに真剣に取り組んでいる事に感動しつつ、彼からの発信を待ちました。その中で私は、描き直したいのか、紙をもう一枚用意するのか、止めたいのか、助けが欲しいのか。。。どんな言葉が出てくるかによって、どう応じようか色々考えました。しかし、「まちがえた」の一言から進まず…。きっと、こだわって描きたかった分悔しさが溢れていたのでしょうね。今回は、新しい紙を渡すのではなく、間違えても続けられるという事を子どもたちには沢山体験してもらいたいと思い、間違えたと思ったところから工夫して仕上げていく事を目標にかかわってみました。すると、悔しさを見せながらも様々な工夫を凝らし、最後まで諦める事なく完成させられました!!
活動が終わると、そっと私の所へ来て気持ちを素直に話してくれました。
「さいしょにおおきなやまをかいたら、いけがちいさくしかかけなくて さかなが1ぴきしかかけなかった。
いぬもちいさくなっちゃった」と。
正直、途中で止めず、最後まで描き通した事も彼にとっては大きな成長だと、私は感じました。そして、こんなに素直に思いを伝えられる姿が、素敵な素敵な成長だと喜ばしい限りです。私は、彼の細かい所まで表現しようとする絵が大好きで尊敬しています。もう一度描いていたら、それは素敵な絵になっていたことでしょう。それと同じくらいこの絵には、彼自身の成長や頑張りが詰まっていて、素晴らしい作品が完成しましたよ!